Exercise 1.3

佐野博亮

2024年9月18日

(a)

f:ABf\colon A\to B𝐒𝐞𝐭𝐬\mathbf{Sets}における同型射とする。このとき、𝐒𝐞𝐭𝐬\mathbf{Sets}の射g:BAg\colon B\to Aが存在して gf=1A,fg=1Bg\circ f = 1_A,\ f\circ g = 1_B が成り立つ。bB{}^{\forall}b\in Bに対してf(g(b))=bf(g(b))=bよりffは全写像である。a1,a2A{}^{\forall}a_1,a_2\in Aに対してf(a1)=f(a2)f(a_1)=f(a_2)と仮定するとa1=g(f(a1))=g(f(a2))=a2a_1=g(f(a_1))=g(f(a_2))=a_2よりffは単写像である。よってffは全単写像である。

f:ABf\colon A\to Bを全単写像とする。bB{}^{\forall}b\in Bを与える。ffは全写像であるから、あるabAa_b\in Aが存在してf(ab)=bf(a_b)=bが成り立つ。ffは単写像であるから、f(ab,1)=f(ab,2)=bf(a_{b,1})=f(a_{b,2})=bと仮定するとab,1=ab,2a_{b,1}=a_{b,2}である。以上より、あるabAa_b\in Aがただ1つ存在してf(ab)=bf(a_b)=bが成り立つ。写像g:BAg\colon B\to Ag(b)=abg(b)=a_bと定められる。このとき、bB{}^{\forall}b\in Bに対してf(g(b))=bf(g(b))=bが成り立つ。また、aA{}^{\forall}a\in Aに対してf(g(f(a)))=f(a)f(g(f(a)))=f(a)が成り立ち、ffは単写像であるからg(f(a))=ag(f(a))=aが成り立つ。以上より、ggffの逆写像である。つまり、𝐒𝐞𝐭𝐬\mathbf{Sets}においてggffの逆射である。よって、ffは同型射である。

(b)

同型射は全単射であり、準同型写像である。

F:ABF\colon A\to Bを準同型写像とし、その逆写像G:BAG\colon B\to Aが存在するとする。b1,b2B{}^{\forall}b_1,b_2\in Bを与える。FFは準同型写像であるから F(G(b1b2))=b1b2=F(G(b1))F(G(b2))=F(G(b1)G(b2))F(G(b_1 b_2)) = b_1 b_2 = F(G(b_1)) F(G(b_2)) = F(G(b_1) G(b_2)) FFは単写像であるから G(b1b2)=G(b1)G(b2)G(b_1 b_2) = G(b_1) G(b_2) が成り立つ。よって、GGは準同型写像である。つまり、FFおよびFFの逆写像GGはともに𝐌𝐨𝐧𝐨𝐢𝐝𝐬\mathbf{Monoids}の射である。ゆゑに、𝐌𝐨𝐧𝐨𝐢𝐝𝐬\mathbf{Monoids}においてFFは同型射である。

(c)

準同型写像で全単射であり、同型射でない例を挙げる。半順序集合A=({a1,a2},A)A=(\{a_1,a_2\},\leq_A)およびB=({b1,b2},B)B=(\{b_1,b_2\},\leq_B)をそれぞれ次のように定める。 4a1Aa1,a2Aa2,a1Aa2,a2Aa1b1Bb1,b2Bb2,b1Bb2,b2Bb1\begin{aligned} {4} a_1 &\leq_A a_1, &\quad a_2 &\leq_A a_2, &\quad a_1 &\nleq_A a_2, &\quad a_2 &\nleq_A a_1 \\ b_1 &\leq_B b_1, &\quad b_2 &\leq_B b_2, &\quad b_1 &\leq_B b_2, &\quad b_2 &\nleq_B b_1\end{aligned} このとき、写像F:ABF\colon A\to BF(a1)=b1,F(a2)=b2F(a_1) = b_1, \quad F(a_2) = b_2 と定めると、FFは全単射である。また、FFは順序を保つがFFの逆写像GGは順序を保たない。よって、FF𝐏𝐨𝐬𝐞𝐭𝐬\mathbf{Posets}の射であるが同型射でない。